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先端医療開発部門(消化器外科)

ご挨拶


奥田 準二

大阪医科大学附属病院 がんセンター 特務教授を拝命してから2年が経過しました。

私は、1984年に医師になり、消化器外科医として本年で32年になります。1993年からは、消化器外科の中でも大腸がんの外科治療をメインに、開腹手術よりも精密で心身に優しい腹腔鏡下大腸手術を専門としています。

国内外の他施設からの依頼や出張手術も含め、これまでの私の腹腔鏡下大腸手術件数は5000件を越えました。ここ数年来は、大腸がんの中でも最も難易度の高い直腸がんに対する肛門温存手術を求めて直接受診や他施設からの紹介、依頼が急増しています。

直腸がん手術では、肛門機能温存に加えて、性機能や排尿機能を司る骨盤内自律神経の温存も重要です。深く狭い骨盤内で直腸がんや転移の疑われるリンパ節を残さずに切除して、肛門と骨盤内自律神経を安全的確に温存するには高度の技術のみならず、豊富な経験と確かな実績に基づいた的確な判断と柔軟な対応力が必須となります。私どもは、安全で質の高い手技と豊富な経験を基に、いま目の前におられる患者さんに最適な直腸がん手術を腹腔鏡の拡大視・近接視を活かして精密かつ低侵襲に行っており、その実績は国内外で極めて高く評価されています。

上記の当院消化器外科での手術や外来・病棟診療の他に、2014年からは、当院がんセンター 先端医療開発部門での新機軸の創意工夫も加えて、さらに安全で的確な腹腔鏡下大腸手術の実践と教育、先端的手技・機器の開発導入と最適化、国内外や他領域とのネットワーク・グローバル化の強化にも注力しています。

幸い、困難例や高難易度例に対しても安全で質の高い手術力をさらに向上させるとともに、3次元腹腔鏡下手術や経肛門的微細手術を始めとする最先端手技を最新の機器・器具と併せて大阪医大システムとして最適化させることができました。また、私どもが主宰するセミナーなどを通じて全国の主要施設とのネットワークの充実や欧米・アジアの世界屈指の施設とのグローバルな連携も益々強化されています。
本年も当院がんセンター 先端医療開発部門でのさらなる創意工夫を当院消化器外科での大腸外科治療に活かして、さらに迅速で的確な対応、さらに安全で質の高い大阪医大システムによる腹腔鏡下大腸手術の実践とチーム力の強化、ならびに、直腸がんの肛門温存手術のさらなる向上と肛門形成・再生も視野に入れて、個々の患者さんの病状に合わせた個別化医療から個々の患者さんの想いの一歩先を思いやる創造化医療へのグレードアップに心と魂を込めて取り組み、患者さんやご家族に安心、喜びと感動をもたらす医療を追求します。

最先端の医療を最適な医療にするには、入院患者さんとの日々のコミュニケーションの充実も非常に大切ですので、私自身の早朝や随時の回診にもさらに力を入れています。 大腸がんでの受診・ご紹介(当院消化器外科外来での私の初診診察は月曜日午前のみ、指名可)、ならびに、セカンドオピニオン外来(随時)も含めて当院医療連携室(TEL:072-684-6338(直通), FAX:072-684-6339)へお問い合わせください。

 

  • 所 属  
    大阪医科大学附属病院 がんセンター
    先端医療開発部門 (消化器外科/大腸がん)
  • 役 職  
    特務教授
  • 専門分野と疾患臓器
    大腸肛門外科・内視鏡外科・先端医療開発 :大腸がん
  • 診療班  
    消化器外科 下部消化管班(大腸班) 指導医
  • 略 歴 
    1958年    大阪市生まれ
    1984年3月 大阪医科大学卒、 同年6月 大阪医科大学一般・消化器外科入局
    1996年4月~10月 米国オハイオ州、クリーブランドクリニック大腸外科留学
    1997年9月 大阪医科大学一般・消化器外科 内視鏡外科チーフ
    2003年2月 同 大腸外科チーフ
    2003年4月 同 診療助教授
    2005年4月 同大学病院 消化器外科 医長
    2007年4月 同 准教授
    2007年8月 同 大腸内視鏡外科 指導医(現在に至る)
    2012年8月 中国 広東省 広州中医科大学第二附属医院 客員教授
    2013年4月 中国 北京 中日友好医院 客員教授(現在に至る)
    2014年4月 大阪医科大学附属病院 がんセンター 特務教授(現在に至る)
  • 加盟学会などと資格
    ・ 日本外科学会認定 外科専門医・指導医
    ・ 日本消化器外科学会認定 消化器外科専門医・指導医、消化器がん外科治療認定医
    ・ 日本大腸肛門病学会認定 大腸肛門病専門医 、日本大腸肛門病学会指導医、評議員
    ・ 日本内視鏡外科学会認定 内視鏡外科技術認定医(大腸)、評議員
    ・ 日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医・指導医
    ・ 日本消化器病学会認定 消化器病専門医
    ・ 日本がん治療認定医機構認定 がん治療認定医
    ・ 日本臨床外科学会 評議員
    ・ 日本消化管学会認定 胃腸科専門医・指導医
    ・ Fellow of American College of Surgeons (FACS)
    ・ アメリカ消化器内視鏡外科学会(SAGES) アクティブメンバー
    ・ Faculty of IRCAD(フランス 内視鏡外科センターIRCAD 腹腔鏡下大腸外科指導医)
    ・ 腹腔鏡下大腸切除研究会 幹事
    ・ 近畿内視鏡下大腸手術研究会 代表世話人
    ・ 次世代の内視鏡下消化管手術セミナー 代表世話人
    ・ 骨盤内視鏡外科セミナー 代表世話人
    ・ 医学博士

大阪医科大学附属病院における大腸がんの外科治療の特徴について

大阪医科大学附属病院の大腸がん手術数は、ここ数年来、西日本で1位、全国でもトップ3に入っています。
これは心身に優しい腹腔鏡下手術を求めて来られる患者さんが多いことが主要因で、2015年度は512件の大腸がん手術のうち498件、すなわち97%(498/512)を腹腔鏡下に施行しました.

大腸がんに対する腹腔鏡下手術は保険適応になっていることもあって、近年、腹腔鏡下大腸がん手術を施行する病院も急増してきていますが、そこで問題となるのが手術の質です。すなわち、腹腔鏡下大腸がん手術の病院間の技術格差は大きいことに注意する必要があります。がんの部位や進行度、患者さんの体型・腹部手術既往歴や持病の有無などに加えて、手術の技術力の差が結果を大きく左右します。すなわち、術後合併症や再発を少なくして最良の結果を得るには初回手術の質が最も重要なのです。最初の手術を受ける病院選びがその後を決めると言っても過言ではありません。

私どもは、腹腔鏡下大腸手術の草創期から開発・導入に携わり、これまでの当院の腹腔鏡下大腸がん手術総数は4500件を越えて国内トップの手術数です。 一方、個々の外科医の腹腔鏡下手術の技術力を高いレベルで評価すべく2004年から日本内視鏡外科学会によって内視鏡外科技術認定制度が開始されました。これまでに当院では私を含めて27人(現在当院在籍の奥田準二、田中慶太朗、山本誠士ならびに当院での研修などで取得後に他院に帰院・出向した24人)の内視鏡外科技術認定医(審査臓器:大腸)を輩出しており、これも国内トップの評価です。

さらに、ここ数年来、他病院では手術が困難な極めて難易度の高い手術の依頼、紹介や受診も急増してきました。これらの手術には、通常よりも時間を要することが多いのですが、昨年の手術数は512件と増加しており、その中の腹腔鏡下手術数も498件で増加しています。また、大腸の中でも最も難易度の高い直腸がんの手術数が309件と全体の60%となっています。これは、国内外の多くの医療施設(病院)や大腸専門医から当院の腹腔鏡下大腸手術の安全性と技術力が極めて高いと評価されている証でもあります。
このように、極めて豊富な実績の中で反省と工夫を繰り返して手術の質を高めてきた結果、当院の腹腔鏡下大腸がん手術では、開腹大腸がん手術と比べて術後の再発も少なく、良好な成績が得られています。(5年生存率:進行度T 98%、U 93%、Va 87%、Vb 73%、W 36% ) また、大腸がんの中で最も難易度の直腸がんに対する腹腔鏡下手術の術後合併症の縫合不全率は1.8%(通常は5〜10%)と低く、多くの患者さんが求められる肛門温存率は93%(通常は80〜90%)と高くなっています。
したがいまして、当院の腹腔鏡下大腸がん手術は、手術数のみならず手術の質も極めて高いと極めて厚く信頼されており、その実績(手術数と成績に加えて極めて難易度の高い手術における技術力と判断力)も国内外でトップの評価を受けています。
さらに、高度進行直腸癌には抗がん剤や放射線治療を併用して根治性と肛門温存率を高める努力をしています。

ところで、術前もしくは術中に肝臓に転移が見つかって同時切除の方が良いと判断した場合には、肝臓外科グループとチームを組んで手術を行います。当院の肝臓外科グループは、転移性肝がんに対する肝切除術はもとより、肝硬変を伴う原発性肝臓がんに対する肝切除など難易度の高い肝臓手術の経験も豊富で良好な成績を誇っています。
また、高度進行直腸がんで膀胱や子宮に浸潤があっても、腎泌尿器外科や婦人科・腫瘍科と診療科の枠を越えたチームワークを背景に多くの困難な手術を重ねてきた実績と技術力が高い評価を得ています。

切除困難な超高度進行大腸がんには、化学療法センター(腫瘍内科)のもとに化学療法(抗がん剤治療)を先行して手術でがんを取りきる確率を上げる努力もしています。さらに、局所高度進行直腸がんには、放射線科のもとで術前放射線化学療法を先行して腫瘍や転移リンパ節を小さくし、周囲へのがん浸潤を抑え、がんを取りきり、肛門温存する質の高い手術を積極的に行うなど、他科とも緊密に連携して最適な治療を心がけています。

大学病院には一般病院で対応の困難な心臓、肺、肝臓、腎臓や脳などに重症の併存疾患(持病)をもった大腸がん患者さんが多く紹介されます。当院では併存疾患のケアに必要な専門科チームと的確で効率の良い連携をはかりつつ安全かつ迅速に最適な手術が行えるように努力しています。

さらに、当院の麻酔科は超一流の技術に加えて患者さん本位のプロ意識と優しさを持って日々の診療に携わっており、当院では極めて恵まれた環境の中で多くの患者さんに安全で質の高い手術を提供できる体制となっています。

さらなる先端医療の導入の実際

当院では、3D腹腔鏡や特殊なホルダーなどを活用し、3次元モニター下にさらに精緻な操作と腹腔鏡の触覚能も高めながら、肛門機能温存に加えて性機能や排尿機能を司る神経の温存をさらに繊細かつ的確に行う次世代の腹腔鏡下直腸がん手術を積極的に行っています。

3D-TAMIS

さらに、本年3月22日にオープンした新中央手術棟にて3次元腹腔鏡下手術に経肛門的微細手術を融合させて究極の肛門温存手術を最新の機器・器具と併せて大阪医大システムとして最適化させることもできました。

なお、結腸がんに対しても、早期癌には手術創(傷)のわかりにくい単孔式手術(下写真)を、進行がんには根治性を高めながら切除から安全な吻合までを腹腔鏡下に行う完全腹腔鏡下手術を積極的に行っています。

単孔式術後(臍部の小さな傷ひとつで済み傷跡がほとんどわからない)

手術数の増加とともに一人ひとりの患者さんに最適なオーダーメードの低侵襲大腸がん手術を安全に質高く施行しているのが当院の大腸がん手術の特徴です。

患者さんへのアドバイス(予防策、受診にあたっての注意や術後について)

  • 大腸がん治療におきましても、完璧な予防法や治療法がない現在、早期発見・早期治療が一番と考えます。症状がなくても、定期的に大腸検査(できるだけ大腸内視鏡検査)を受けられることをお勧めします。また、検診(便潜血検査)で一回でも陽性ならば、必ず大腸内視鏡での精密検査を受けましょう。
  • 初診 消化器外科外来(受付=午前8時半〜11時)指名可能です。
    奥田:月曜日午前
    山本:火曜日午前
    田中:木曜日午前
  • おかかりの医療機関より当院医療連携室(TEL:072-684-6338、FAX:072-684-6339)へ連絡のうえで、受診予約してもらってください。なお、私(奥田準二)の初診外来は月曜日午前のみですが、指名可能です。
  • 診療情報提供書(紹介状)はあったほうがよいです。ないと、選定療養費(5,400円、消費税込み)が加算される他、臨時休診や待ち時間が非常に長くなることがあります。
  • 退院後の経過観察はご紹介医や地元のかかりつけの医師との医療連携(逆紹介)をメインにするように配慮しています。

セカンドオピニオン外来について

  • セカンドオピニオンをご希望の方へ :おかかりの医療機関の検査データと診療情報提供書(紹介状)を用意し、医療相談部「医療連携室」[TEL:(072) 684-6338]に電話をかけて奥田準二を指名・予約してください。一時間で32,400円(消費税込み、保険対象外)。

私が目指す、さらに安心で質の高い大腸外科治療と医療ネットワークの充実

私(奥田準二)は、大阪医科大学附属病院 がんセンターのみならず、当院消化器外科での外来診察(私の初診外来は月曜日午前のみ、指名可)や入院後の手術などの診療も一層向上させ、さらに安心で限りなく質の高い治療を目指しています。

また、セカンドオピニオン外来では、私どもとの医療ネットワークによる診断、治療や術後フォローアップの連携の実績をもとに、必要に応じて全国各地域で推奨できる病院や医師のご紹介もしています。

もっと詳しくお知りになりたい方へ

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代表/TEL 072-683-1221
〒569-8686
大阪府高槻市大学町2番7号

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