脳神経外科・脳血管内治療科
2020.12.28

脊髄腫瘍の手術

高見俊宏(たかみ としひろ)
専門分野:脊椎脊髄疾患

脳神経外科・脳血管内治療科では、脊髄外科専門外来を新たに開設しました。脳神経外科医による脊髄外科の最大の特徴は、「顕微鏡手術によるマイクロサージェリー」です。重要な脳血管・脳神経に対する顕微鏡手術を習得した脳神経外科専門医が、脊髄外科手術を行います。特に診断および治療が難しい脊髄腫瘍の手術を専門的に取り扱っています。神経モニタリング、術中画像(術中CT・血管造影)および最新の手術顕微鏡を駆使して、精緻かつ安全な手術を提供します。

脊髄腫瘍の特徴と分類

脊髄・神経あるいは周辺組織から発生する神経腫瘍を総称して脊髄腫瘍と呼びます。腫瘍の発生部位によって、①硬膜外腫瘍、②髄外腫瘍、③髄内腫瘍に分類されます(図1)。

①硬膜外腫瘍:脊髄を包む膜(硬膜と呼びます)の外側から発生し、脊椎骨腫瘍と重複します。
②髄外腫瘍:脊髄外から発生して硬膜内で大きくなる、あるいは硬膜外に進展することもあります。
③髄内腫瘍:脊髄内から発生して大きくなります。

髄外腫瘍と髄内腫瘍の診断頻度については、従来は年間10万人あたり数人程度と推定されてきましたが、近年の画像診断向上により診断率は確実に上昇しています。髄外腫瘍と髄内腫瘍の多くは良性腫瘍ですが、正しく診断されない場合には、後頚部・背部痛、手足のしびれ感・痛み、運動障害、歩行障害、あるいは排尿・排便障害が進行性に悪化します。治療の原則は手術による安全・確実な腫瘍摘出であり、良性腫瘍であれば手術にて根治が期待できます。


(図1)

最新技術のご紹介

  • 高精細・多機能型手術顕微鏡
    最新の手術顕微鏡を使って手術を行います(図2)。手術顕微鏡は高精細だけでなく、外視鏡・内視鏡手術とのハイブリッド、術中蛍光観察機能などを有する多機能型です。さらに、手術ナビゲーションとの連動も可能となり、精緻かつ安全な手術を提供することができます。


    (図2)

  • 脊髄髄内腫瘍に対する顕微鏡手術
    脊髄腫瘍の中でも髄内から発生する髄内腫瘍の手術は、特に難易度が高いとされています。直径10ミリにも満たない脊髄内部に発生した腫瘍を安全に摘出するためには、高精細・多機能型手術顕微鏡だけでなく、特殊な手術機器、神経モニタリング、さらに高度な技術が必要です。


    (手術ビデオ)

    腫瘍摘出度だけでなく、神経機能温存が重要となります。腫瘍摘出と神経機能温存のベストバランスを獲得することで、その後の生活の質(QOL)の維持・改善が期待できます。

〈受診について〉

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